給水用防錆剤販売店登録制度


日本給水用防錆剤協会

1.建築物衛生法制定の背景と防錆剤の動向
 昭和30年代以降の経済高度成長期を経て、人口の都市集中、建築技術の進歩等で、都市部を中心に大規模な建築物が出現しました。(昭和39年には東海道新幹線開通、東京オリンピック開催、昭和45年大阪万博が開催された。)
 このように、建築物の高度化、複雑用途化が進んで、多数の人が使用(利用)する建築物の衛生的環境を確保するため、従来の個別的規制、労働基準法、建築基準法等では十分対処できない*1ため、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(略称:建築衛生法)が昭和45年の第63国会において可決成立しました。

*1 室内環境の調整不適で冷房病、不十分な清掃、二酸化炭素濃度増、浮遊粉じんの増加、 蚊・ハエ・ねずみ・ゴキブリの発生がみられ、また、当時は衛生的環境に対する配慮と関心が一般的に薄かった。

 一方、我が国の給水事情は水道水原水の水質の低下と建築物の給水設備の経年的腐食によって使用する飲料水または温水が赤水等により汚濁されることが多くなり、その対策の一つとして給水用防錆剤を採用する建築物が増加し、その管理体制が保健上重要かつ緊急な問題となってきていました。
 当時は給水用防錆剤の適切な指導指針もないため、使用基準や品質などの指針を探るべく、昭和47年(1972年)業界有志による「給水用防食剤懇談会」を発足させました。しかし、給水用防錆剤の使用にあたっては、人体が長時間摂取していく性質のものであり、製造時の品質管理、適切な使用方法や添加装置(注入装置)の選定、さらに安全かつ衛生的で安定した効果を有する薬剤等に関する基準が必要でした。そのため、業界自主基準となる「給水用防錆剤ガイドブック」を作成しその責任を全うすると共に、昭和52年(1977年)には多くのメーカーが参画し新たに「給水用保全協議会」を立ち上げ本格的な活動に入りました。昭和60年に「日本給水用防錆剤協会」と名称を変更し、メーカー及び発売元、販売店、機器メーカー等が会員として加入しています。
 なお、昭和58年〜61年には、防錆剤の使用方法等、使用上の留意点、防錆剤の品質規格、品質規格適合品の表示、「適用範囲等について」が当時の厚生省(現厚生労働省)より局長通知、課長通知、事務連絡で示されています。
これらに伴い、日本給水用防錆剤協会では、昭和62年に第1回給水用防錆剤販売管理者講習会を開催し以後継続実施しています。平成14年には、厚生労働省健康局生活衛生課長通知「防錆剤管理責任者の資格について」が示され、それに基づき防錆剤管理責任者講習会も合わせて実施しています。
平成17年には、厚生科学研究・水質管理の実態調査部会に協会も参画して「防錆剤管理責任者のためのマニュアル」(Q&A管理マニュアル)を作成にしています。
ほぼ同じ内容のものが協会ホームページの会員広場・Q&Aに掲載しています。
2.販売店登録制度
1)制度の周知 当協会の給水用防錆剤販売店登録制度が昭和61年に厚生省から*2各都道府県・政令市衛 生主管部(局)建築物環境衛生担当課殿へ伝えられています。

*2昭和61年9月30日厚生省生活衛生局企画課事務連絡
給水用防錆剤の適用範囲等について
給水用防錆剤の製造・販売者で構成する日本給水用防錆剤協会(旧称給水用保全協議会)は、今般自主的に販売の適正を期する目的で、給水用防錆剤の適用範囲を別添のとおり定めるとともに、給水用防錆剤販売店登録制度を設け、今年度中に登録を開始することとしているので、関係者に周知を図られたい。
(別添) 略
2)制度の概要 ○ 登録販売店とは日本給水用防錆剤協会の登録を受け給水用防錆剤品質規格適合品の販売を行なう事業所(協会の法人会員)をいう。登録販売店には給水用防錆剤販売店登録証が交付される。なお、登録販売店には1名以上の「給水用防錆剤販売管理者之証」所持者(協会の個人会員)が在籍していなければならない。

@ 複数の事業所で販売している場合は、各事業所毎に、販売店の登録を行って資格を所得すること。
A 販売店登録(入会):登録申請書(メーカー会員の証明必要)提出 → 「給水用防錆剤販売店登録証」発行
  初回登録(入会金、登録費用、初年度年会費):40千円(上期入会)、37千円(下期入会)
B 登録販売店の登録番号:  (  )○○○○○
  5ケタ表示とし始めの2ケタは都道府県番号*3を表し、下3ケタは登録順に協会が付与する(法人会員番号)。
  登録番号直前に登録回数を両カッコ付数字にて表示する。
   例: (1)01001 北海道地区の店   (3)13236 東京都地区の店    (5)27105 大阪府地区の店   (7)40065 福岡県地区の店
C 会員年会費:法人会員/6千円、  個人会員/5年間 8千円  
D 登録の更新/
   法人会員:3年毎に更新 (更新申請書・更新料 1万円)
   個人会員:5年毎に更新 (更新申請書・更新料 なし、但し5年分の年会費)

*3 都道府県番号:
01北海道 02青森県 03岩手県 04宮城県 05秋田県 06山形県 07福島県 08茨城県
09栃木県 10群馬県 11埼玉県 12千葉県 13東京都 14神奈川県 15新潟県 16富山県
17石川県 18福井県 19山梨県 20長野県 21岐阜県 22静岡県 23愛知県 24三重県
25滋賀県 26京都府 27大阪府 28兵庫県 29奈良県 30和歌山県 31鳥取県 32島根県
33岡山県 34広島県 35山口県 36徳島県 37香川県 38愛媛県 39高知県 40福岡県
41佐賀県 42長崎県 43熊本県 44大分県 45宮崎県 46鹿児島県 47沖縄県


給水用防錆剤販売管理者とは協会の講習会を修了した者で、給水用防錆剤に関する国の定める使用基準の遵守と適正使用の管理を推進し、登録販売店に所属している場合は給水用防錆剤(品質規格適合品)の販売ができる。
また、特定建築物での給水用防錆剤の管理は行えないが、特定建築物以外の建築物の管理は行うことができる。 なお、協会に個人会員として入会すると、「給水用防錆剤販売管理者之証」(携帯用の証明書)が交付される。
個人会員の登録番号(個人会員番号):   ○○―○○○
始めの2ケタは都道府県番号を表し、ハイフォン以後の3ケタは登録順に協会が付与する。
 例: 13-501 防錆太郎/(1)13002 防錆剤販売

防錆剤管理責任者とは給水用防錆剤の使用について十分な知識及び技能を有する防錆管理に係る責任者で、すべての建築物において防錆剤の注入および管理に関する一切の業務を行うものである。
 また、当協会では、当協会主催の防錆剤管理責任者講習会を終了した防錆剤管理責任者の方が、防錆剤の維持管理にあたって、その資格を証明する携帯用の「防錆剤管理責任者之証」を希望者に交付しています。 防錆剤管理責任者の資格は@建築物環境衛生管理技術者免状の交付を受けている者又はA本講習会を修了した者です。
なお、@の方で給水用防錆剤の知識、経験が少ない方は講習会等で補足する事をお勧めします。
 注)防錆剤管理責任者及び建築物環境衛生管理技術者は、 給水用防錆剤の販売資格はありません。
3.制度概要図(給水用防錆剤関係概要図)
 

関連ページ
会則
給水用防錆剤及びその管理基準
販売管理者講習及び販売管理者規程
防錆剤管理責任者講習規程
販売店登録規程


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