平成15年10月10日改定
(目的) | |
第1条 | 本基準は日本給水用防錆剤協会が国の定める使用基準を遵守し、第2条に定める給水用防錆剤の品質規格並びにこれを安全かつ衛生的に有効に使用するための基準について定めるものである。 |
(用語の定義) | |
第2条 | 本基準において用いる用語の定義は次の各項のとおりとする。 1、給水用防錆剤とは建築物等の給水給湯に添加して配管や設備の腐食を抑制し、赤水の発生を防止する目的で使用する薬剤をいう。 2、建築物等とは「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」施行令に定める特定建築物のほか給水設備を有するすべての建築物、各種給水施設等をいう。 3、防錆剤管理責任者とは給水用の防錆剤の使用について十分な知識及び技能を有する防錆剤に係る責任者で、防錆剤の注入及び管理に関する一切の業務を行うものである。その資格は厚生労省働健康局生活衛生課長通知(平成14年3月26日付け健衛発0326002号)「防錆剤管理責任者の資格について」に基づき (1)建築物環境衛生管理技術者免状の交付を受けている者 (2)上記通知(健衛発0326002号)の基準に適合する防錆剤管理責任者のための講習を修了した者をいう。 4、防錆剤管理責任者のための講習とは日本給水用防錆剤協会が厚生労働省の承認の基に実施する前の通知(健衛発第0326002号)の基準に適合する防錆剤管理責任者のための講習をいい、当該講習修了者に「防錆剤管理責任者」の資格を付与する。 5、給水用防錆剤の厚生省品質規格適合品とは厚生省生活衛生局企画課事務連絡(昭和59年8月27日)に基づき日本給水用防錆剤協会発行の「給水用防錆剤品質規格適合品」表示の証紙を貼付しているものをいう。 6、給水用防錆剤の簡易検査器とは給水栓における水に含まれる給水用防錆剤の含有率(濃度)を検査する目的で「日本給水用防錆剤協会推奨品」表示の証紙を貼付しているものをいう。 7、給水用防錆剤販売管理者とは、日本給水用防錆剤協会が「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」第4条3項に示された努力規定に基づき建築物の給水に関する環境衛生管理基準を遵守するために行う「給水用防錆剤販売管理者講習会」を修了した者で、給水用防錆剤品質規格適合品の販売及び国の定める使用基準の遵守と適正使用の管理を推進し、特定建築物以外の建築物の管理を行う。 また、給水用防錆剤販売管理者が日本給水用防錆剤協会の登録販売店に所属しているときは、「給水用防錆剤販売管理者之証」が得られて給水用防錆剤販売管理者之証所持者となることができる。 8、登録販売店規定に基づき 1)登録販売店とは日本給水用防錆剤協会の登録を受け、上記第6項に定めた品質規格適合品(表示品)の販売を行う事業所をいう。 2)販売店登録番号は5ケタ表示とし始めの2ケタは都道府県番号を表わし、下3ケタは登録順に協会が付与する。登録番号直前に登録回数を両カッコ付数字にて表示する。 3)販売店登録証の交付を受けた販売店は、登録証の有効期間に限り登録番号を名刺、販売資料等に表示することが出来る。表示事項は次の内容を全て表示する。 日本給水用防錆剤協会登録販売店 登録番号( )○○○○○ |
給水用防錆剤 品質規格適合品マーク |
給水用防錆剤簡易分析器 推奨品マーク |
販売店登録証 |
(対象建築物) | |
第3条 | 本基準の対象は第2条第2項で定めた建築物等をいう。 |
(防錆剤の種類) | |
第4条 | 給水用防錆剤の種類はリン酸塩を主成分とするもの、ケイ酸塩を主成分とするもの及び両者の混合物を主成分とするものをいう。 2、給水用防錆剤は厚生労働省品質規格適合品でなければならない。 |
(防錆剤の品質規格) | |
第5条 | 給水用防錆剤の品質規格は次の通りとする。(表1−1) |
種類 | 1種 | 2種 | 3種 | ||||
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項目 | 1号 | 2号 | 1号 | 2号 | 1号 | 2号 | |
主成分 | リン酸塩 五酸化リン(P2O5)として |
51%以上かつ表示値±1%以内 | 11%以上かつ表示値±0.5%以内 | ― | ― | 両成分を合計して51%以上かつ表示値±1%以内 | 両成分を合計して11%以上かつ表示値±0.5%以内 |
ケイ酸塩 二酸化ケイ素(SiO2)として |
― | ― | 62%以上かつ表示値±1%以内 | 13%以上かつ表示値±0.5%以内 | |||
外観および性状 | 無色、白色又はわずかに着色した固体状のもの | 無色透明の液体 | 無色又はわずかに着色した固体状のもの | 1種2号に同じ | 1種1号に同じ | 1種2号に同じ | |
主成分以外の金属等 | ヒ素 | 2mg/kg以下 | 固形換算して1種1号に同じ | 1種1号に同じ | 固形換算して1種1号に同じ | 1種1号に同じ | 固形換算して1種1号に同じ |
カドミウム | 2mg/kg以下 | ||||||
鉛 | 15mg/kg以下 | ||||||
水銀 | 0.2mg/kg以下 | ||||||
不容分 | 0.05%以下 |
(標準表示仕様) | |
第6条 | 給水用防錆剤およびその注入装置の標準仕様は次の通りとする。 |
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(防錆剤の適用範囲) | |
第7条 | 給水用防錆剤の適用範囲は次の各項の通りとする。 1、給水栓から採取した水の色度が5度を超える場合でその原因が鉄等である場合 2、給水栓から採取した水の鉄が0.3r/lを超える場合 3、早朝あるいは休日明け等の開栓直後に赤水が認められ、短期間のうちに 赤水領域に達すると判断される場合 (注)但しこの場合初期注入は行わず当初より定常注入濃度範囲(5r/l以下)の注入を行うことを原則とする |
(注入方法) | |
第8条 | 給水用防錆剤の注入方法は次の各項の通りとする。 1、液状の防錆剤をポンプにより給水量に応じて注入する方法。 2、給水配管途中にバイパスを設け、固体状の防錆剤を自然溶解させて給水量に応じて注入する方法。 |
(含有率(濃度)) | |
第9条 | 給水栓における水に含まれる防錆剤の含有率は赤水を防止し得る最低濃度とし、定常時においてはリン酸塩を主成分とするものにあっては五酸化リン(P2O5)として5mg/l、ケイ酸を主成分とするものにあっては二酸化ケイ素(SiO2)として5r/l、両者の混合物を主成分とするものにあっては五酸化リン及び二酸化ケイ素の合計として5r/lを超えてはならないこと。また注入初期においては、いずれの場合も15r/lを超えてはならないこと。 |
(注入装置) | |
第10条 | 1、給水用防錆剤の注入装置は第9条に定める給水用防錆剤の濃度を管理するに十分な性能を有するもので防錆剤または防錆剤注入前の水に含まれる成分等により腐食したり、摩もう、破損等により有害物質を生ずるものであってはならない。 2、第8条第2項に示した如きバイパス法に用いられる注入装置は本条第1項の条件を満しかつ使用する固体状防錆剤の性状に合致した専用の注入装置を使用しなければならない。 |
(含有率及び効果の確認) | |
第11条 | 給水栓における水に含まれる防錆剤含有率および色度、全鉄の確認は次のとおりとする。 1、定常時においては2月以内ごとに1回以上防錆剤の含有率および色度、全鉄を検査する。 2、注入初期においては7日以内ごとに1回以上検査すること。 3、防錆剤の補給時ごとに検査すること。 |
(含有率の検査方法) | |
第12条 | 給水栓における水に含まれる防錆剤含有率の検査は次の各項の通りとする。 1、第9条に定める含有率の検査方法は社団法人日本水道協会の「上水試験方法」又はこれと同程度以上の精度を有する方法によること 1、第11条において定めた検査を補完するために、簡易分析器による検査も実施することが望ましい。 |
(注入装置の点検) | |
第13条 | 運転状況及び性能を定期的に点検し、必要に応じ、整備補修等を行うこと。 |
(簡易検査器) | |
第14条 | 日本給水用防錆剤協会の推奨を受けた、給水用防錆剤簡易検査器推奨品を使用すること。 |
(使用等の届出) | |
第15条 | 特定建築物において給水用防錆剤を使用する場合は、その使用者は特定建築物の所在場所を管轄する保健所長を経由して都道府県知事又は政令市長へ次の届出を行うこと。 1、使用の届出 防錆剤の使用を開始した日から1月以内に、使用開始年月日、当該特定建築物の名称及び所在場所、使用する防錆剤の種類、防錆剤管理責任者の氏名及び住所を届け出ること。 2、変更の届け出 使用する防錆剤の種類又は防錆剤管理責任者に関する 届出事項を変更したときはその日から1月以内に届け出ること。 |
(帳簿書類) | |
第16条 | 給水用防錆剤の使用と管理に必要な次の帳簿書類を備え付けること。 1、防錆剤の含有率(濃度)検査に関するもの、採水の日時及び場所、検査日時、検査結果、検査の実施者及び方法等それぞれ記載すること。 2、防錆剤の注入装置に関するもの、点検、整備、補修等を実施した年月日、実施者名、作業内容等それぞれ記載すること。 |
関連ページ
・会則
・給水用防錆剤販売店登録制度
・販売管理者講習及び販売管理者規程
・防錆剤管理責任者講習規程
・販売店登録規程
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